日本での仕事の打ち合わせのためつかの間の東京滞在していたペドロと久々に会う。YONGENのアルバムGIVE ME YOUR SUN のデザインを担当してくれた彼もロンドンからサンパウロにベースを移して2年。元気な顔を見せてくれた。
ブラジルのアート界、日本の音楽界の話。ロンドンの悪口言ったりして大いに盛り上がる。
また、春にも出てくるらしいので再会が楽しみ。やっぱり奇才だ、この人は。
写真は送って来てくれたサンキュウカード。
ARIGATOとOBRIGADOって見事に韻を踏むんだなあ。
http://www.coletivo.org/pedro/
今日は、ASAHI CAFE NIGHTというイベントに参加。
随分前の話になるが、”宇宙船とカヌー”というタイトルのテレビ用のドキュメンタリーをつくったことがあり、その時に一緒に仕事をさせていただいた芹沢高志さんがコーディネーターをつとめるというイベントだというので、隅田川めざして出かけた。
フイリップスタークの建物にも興味があった。スタークがデザインしたアサヒビールの建物は.......詳細は省くが、単純に面白かった。ニューヨークやロンドンの同じくスタークデザインによるカッコつけたホテルよりも、なんだか好きだった。ヨルが似合う建物かも知れません。
そして、本題のカフェナイト。この日のテーマは、”地域とアート”。
ゲストスピーカーは、徳島の神山という街で、アートによる街の活性化を実践していらっしゃる大南さんという方と、鹿児島県、甑島でKOSHIKI ART PROJECTを主催していらっしゃる平嶺さん。
過疎が生み出す地方の衰退。連鎖して起こる大切な自然の破壊。
その流れを食い止め、地方に新しい息吹を吹き込むための手段としてアートを使う。言うのは簡単だが、調査、交渉を伴う大変な作業を、ここまで成したげたことに対しては、脱帽。しかも、さらに先の未来に向かって、さらに大きく展開させようと言うのだから、並のパワーじゃない。
日本の風土、自然については、ここでは書き切れないくらいの沢山の想いを最近抱いている。しかし、週末だけ畑を借りて有野菜をつくろうとか、そういう発想にはならないのだ。そんなヤワな発想では、どうにもならないくらい、重いテーマのはずだ。その重いテーマといつも向き合っている地方の現場の声が聞けて、沢山の刺激をいただきました。
今朝になって、tkが武満徹の文章を送ってくれました。
素晴らしい文章の最後の部分からの抜粋です。
”音楽は無力だ。ただ、音楽を通して得られた人間的信頼や理解を、より確かな経験として深めることで、暫くは、絶望までの距離を保つことができるだろう。”
まさにそういう気持ちです。そういう気持ちで、明日からまたがんばれそうです。
やめればよかった。ああ、後悔。
六本木ヒルズの建物に着き、チケット売り場に並んだ時から少し嫌な気分に。
もうやめよう、と何度も言いかけたが、どうしても”万華鏡の視覚”というexhibitionのタイトルが気になる。
しばらく並んでいると、チケットが”美術館+展望台、という設定になっていることに気付く。しかも、美術館のみ、は購入できないと言う。なぜ?と聞いても説明もなく、ここで、かなり嫌な気分に。
しぶしぶチケットを購入し、エレベーターに向かう。ここで、警備員風のオジサンがチケットをチェック。まだ2メートルしか歩いていないのに、もう?
それでも、まあいいやと自分に言い聞かせ、さらにホールに向かうと、今度は制服を着た女性が制する。そして、またもやチケットをチェックすると言うではないか。警備員のおじさんから、まだ3メートルも歩いていないのに。しかも、広いエレベーターホールの手前で止められ、狭い通路でエレベーターの到着を待てと言う。何のためのホール?と思い始めたら、かなりかなり嫌な気分に。
それでも、それでも、exhibitionが見たいわたしたちは、無言で53階に。
ようやく美術館の入り口に到着。そして、guess what?
”チケットを拝見します”の声。しかも、嫌な雰囲気に拍車をかけるような愛想の悪さ。
さらにエスカレーターで上階に行き(これもよく理解できなかったが)、やっとやっとTracy Eminの作品が目に入る。しかし、小さなneon tubeの作品ひとつで、Tracyはおしまい。
結論から言うと、ここで帰れば良かった。
作品ひとつひとつがどうという以前の問題だ。展示の仕方もひどいし、薄汚れた壁と床の間には隙間が空いているし、照明も良くない。
とにかく、”万華鏡の視覚”というタイトルがどこから来たのか、皆目見当もつかない。
見終わって、かなりかなりかなり嫌な気分に。
入場料が勿体ないと後悔するがあまり、展望台に行くことにした。
展望台とは名ばかり。要するに53階のフロアーから見える東京の景色にお金を払えというわけである。しかも、もっと上の展望台というのがあって、そこに行こうと思えば、さらに600円払わなければならない。
美術館という体裁を取ってはいるが、どうやらここにはアートより大切なものがあるらしい。
もう二度と行きたくないcktkです。